2025.11.24
ビジネス
ROIC経営の注意点
資本コストをどの程度効率的に利益に結びつけているかの指標「ROIC」(Return On Invested Capital:投下資本利益率=税引後営業利益÷投下資本)を、経営指標として積極的に用いる企業が増えています。
ROICは資本効率性を説明する有用な指標ですが、適切な使い方をしないと経営の舵取りを誤ってしまいます。
1)ROICだけしか見ない
「ROIC経営」という言葉を誤解して、ROICだけを注視し、他の指標を軽んじているケースがあります。
当然ながら、指標は1側面しか表していませんので、複数の指標から財務状況を把握して経営判断をする必要があります。
特に、ROICの数値を良くするためだけに投下資本を削っても、経営全体が良くなるわけではなく本末転倒です。
2)事業フェーズに応じた判断をしていない
事業は導入期/成長期/成熟期/衰退期など、その事業フェーズによって投資の必要性が変化します。
投資が必要な導入期と成熟期とをROICの数値で比較することには意味がありません。
特に衰退期に入った事業は、次の新規事業に向けて積極的に投資ができるようにする必要があります。
3)現場でコントロールできない投資が多いのに現場のKPIにする
投資判断は経営層が行い、現場の活動や努力が結果的にROICに影響しないこともあります。
そのような状況で現場に浸透させようとしても反発を招くだけで効果はありません。
現場の努力で改善できるKPIなのかを確認した上で、使い方を考えなくてはなりません。
「ROIC経営」を取り入れる企業が増えたから真似をするのではなく、自社の状況に応じて適切な指標をKPIに設定し、必ず複数の指標で状況を把握するようにしましょう。