無借金経営は良い経営なのか?
「借金」というと、日本では悪いイメージに捉えられてしまい、「無借金経営」と聞くととても良い経営と思い込んでしまう人が結構おられるように思います。 本当にそうなのでしょうか? 基本的に株式会社であれば、株主(創設者を含む)から出資金を募り、株価の上昇(=企業価値向上)や配当としてリターンします。株主はリスクを背負って出資したために、一般的には融資(借金)の利息より高いリターンを求めます。 一方、融資(借金)で資金調達をすれば、株主へのリターンより少ない利息を払うため、会社に残る利益は増えることとなります。 もちろん融資(借金)の割合が増えすぎると、一度に返済を求められた場合に対応できず、破綻して...
スペースXのIPO
宇宙産業は儲かるのか 2025年12月10日付のブルームバーグのニュースサイトの記事「スペースXが来年IPOへ、300億ドルを大幅に上回る調達目指す」において、「スペースXは300億ドル(約4兆7100億円)を大きく上回る資金の調達を目指し、新規株式公開(IPO)計画を進めている。」と報じています。 日本では10年で1兆円のJAXA基金(宇宙戦略基金)ができたことで話題になりましたが、民間企業でその5倍近くの資金調達により宇宙に取り組むことは、宇宙が「科学・探査」の段階から、「ビジネス」の段階へ移行していることを示しています。 では、スペースXはどうやって売上・利益を上げているのでしょうか。詳...
JAXAと共同研究ができる枠組み
宇宙探査イノベーションハブ 民間企業と研究機関、JAXAや省庁も交えた産官学で国際宇宙探査に向けた共同研究を行う枠組みが、2014年に開始された「宇宙探査イノベーションハブ」です。企業が培ってきた地上での新産業創出に資する技術を利用し、研究機関やJAXAの知見や実験施設を活用して宇宙探査への利用拡大をしていくものです。企業は地上での新産業創出、JAXAは宇宙利用へと役割分担を行って2つの出口を創出する「Space Dual Utilization」として取り組むことで、Win-Winの関係を築きながら社会に貢献する枠組みとなっています。 従って、宇宙のノウハウがない、宇宙のことはわからない企業...
ビジネスモデルキャンバス(4)コスト見積もりと収益予測でお金の流れを設計
ここまで検討してきた、「顧客との関係」「チャネル」「自社取り組み」「リソース」「パートナー」に必要となるコストを見積もります。このとき、そのコストが固定費なのか変動費なのかを整理しておきます。調達方法によって双方が可能なものもありますが、一旦仮定して後の調整材料とします。水道光熱費や運送費、梱包材なども含め、1つ1つの作業を具体的にイメージし、抜け落ちているコストが無いか再確認しましょう。雑費等でバッファを設けておくことも一案です。 次に、価格の仮定と、顧客数・販売数を上/中/下と3パターンくらいを仮定すると、売上予測が算出できます。そして変動費を計算し、固定費と合わせて収益予測が出せます。特...
ROIC経営の注意点
資本コストをどの程度効率的に利益に結びつけているかの指標「ROIC」(Return On Invested Capital:投下資本利益率=税引後営業利益÷投下資本)を、経営指標として積極的に用いる企業が増えています。ROICは資本効率性を説明する有用な指標ですが、適切な使い方をしないと経営の舵取りを誤ってしまいます。 1)ROICだけしか見ない 「ROIC経営」という言葉を誤解して、ROICだけを注視し、他の指標を軽んじているケースがあります。当然ながら、指標は1側面しか表していませんので、複数の指標から財務状況を把握して経営判断をする必要があります。特に、ROICの数値を良くするためだけに...
ビジネスモデルキャンバス(3)価値提供の方法を具体化
提供する価値を実現するために、自社で取り組む内容と、他社(パートナー)に委託したり購入するものに分類します。 自社で取り組むために必要となる、設備・資金や人・時間を見積もり、それをどのようにすれば調達できるかの検討を行います。現実的に準備することが難しい場合や、想定以上に費用が掛かりそうな場合は、他社に依存しなくてはなりません。材料購入から、物流や倉庫、加工、提供するために必要なものも含めて、自社と他社で連携してバリューチェーンがつながっているかを確認し、抜けている工程がないかチェックしてリストアップします。
宇宙はイノベーションが起こる場所
ブリジストンによる月面探査車のタイヤ開発 米国NASA「アルテミス計画」では、月面探査車の開発を日本が担当しています。JAXAおよびトヨタ自動車株式会社、そしてタイヤ開発担当として株式会社ブリジストンが参画しています。月面では120℃~-170℃と寒暖差が激しく放射線にもさらされるため、ゴムや樹脂といった材料は使えません。また真空であるため、空気入りのチューブも使えません。そこでブリジストンは、金属のばね構造を活用し、表面はスチールウールで砂地でも滑らないタイヤを生み出しました。現在鳥取砂丘等、砂地での実証を重ねています。中に空気チューブが入ったゴム製のタイヤが当然のように使われてきましたが、...
ビジネスモデルキャンバス(2)誰に何の価値を提供できるか
特に新規事業を検討する際は、想定するお客様のお困りごとや課題を解決したり、お客様が想定してなかった新しい価値を提案したりすることで、「お金を払ってでもそれを得たい」との動機が発生することが重要です。提供者側がどれだけ良いと考えても、「確かに良いがお金を払うまでには至らない」と感じるのならば、ビジネスは成立しません。 新規事業はもちろん既存事業でも、お客様に十分に魅力を感じていただけるものかどうかを確認し、ブラッシュアップしていくことが大切となります。また、魅力を感じてもらえるのは、どういうグループや属性の人たちかを分析することも大切です。 「顧客セグメント」と「提供価値」の仮説ができた後は、そ...
吉野家のラーメン戦略
吉野家では7月4日から「牛玉スタミナまぜそば」を販売しました(現在は販売終了しています)。「牛丼屋なのにまぜそば?」と疑問に感じた人もいたかもしれません。 実は、吉野家ホールディングスは、2025〜2029年度 中期経営計画の中で、牛丼・はなまるうどんに次いで、ラーメン事業を第3の事業ドメインと設定し、「ラーメン提供食数世界NO.1構想」を掲げています。2029年度には、売上高400億円、店舗数500店舗を目標としています。 2024年5月にラーメン店向けに麺やスープなどを製造する「宝産業株式会社」を買収しています。また、ラーメン店運営としては、2016年に「せたが屋」を、2019年には「ウィ...
ビジネスモデルキャンバス(1)ビジネス構造を俯瞰して検討する
ビジネスモデルキャンバスとは、アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュールが、2010年発行の著作『Business Model Generation』(日本語訳『ビジネスモデル・ジェネレーション』、2012年発行)にて提唱しました。 新規事業の立案や既存事業の分析を行う際、チーム内でディスカッションして共通認識を醸成するツールです。ビジネスの構造を俯瞰した上で検討すべきポイントが洗い出せる非常に良いツールだと思いますが、理解するまでに少し時間が掛かるかもしれません。 基本的な構造は、「顧客セグメント」「提供価値」「顧客との関係」「チャネル」「自社取り組み」「リソース」「パートナー」「コスト...
中小企業診断士2次筆記試験-令和7年度の傾向は?
令和7年度の中小企業診断士の2次筆記試験は、10月26日(日)に実施が予定されています。例年同様の4科目です:事例Ⅰ(組織・人事戦略)、事例Ⅱ(マーケティング・流通)、事例Ⅲ(生産・技術)、事例Ⅳ(財務・会計)。 与件文を読み解き、状況を把握する力、現状を深堀して分析し課題を発見する力、改善策を助言・提案する力、それらを論理的に説明する力、などが重要視されます。今年度がどのような傾向になるのか全く分かりませんが、2025年度版の中小企業診断士白書から、独断で影響しそうなキーワードを列挙してみます。 【参考】・中小企業診断士試験https://www.jf-cmca.jp/contents/00...
調布市商工まつり
「第70回調布市商工まつり」が、10月12日(日)・13日(月・祝)の2日間、調布市庁舎前広場・調布市文化会館たづくりむらさき・くすのきホール・アフラック前通りで開催されます。 今年は、子どもがおしごとの体験ができる「キッズプリュム」のブースが登場します。飛行機操縦や、パイロットの制服を着て写真撮影ができるとのことです。また、12日にはくすのきホールで、海上自衛隊東京音楽隊によるコンサートが開催されます。観覧は事前に往復はがきで申し込みが必要です(9月25日必着ですのでご注意を)。 ■参考:調布市商工まつりhttps://www.chofusci.com/archives/14345キッズプリ...
営業秘密管理
不正競争防止法では、企業が持つ秘密情報が不正に持ち出されるなどの被害にあった場合に、民事上・刑事上の措置をとることができます。そのためには、その秘密情報が以下の3条件を満たしていることが必要となります。①非公知性 一般には知られていない。②有用性 企業にとって役立つ情報。③秘密管理性 情報に接する人が秘密情報と認識できるよう管理されている。例えば、転職する際に転職元の情報を手土産感覚で情報を持っていくのはもってのほかですが、テレワークで印刷するために、私用のメールアドレスにファイルを送信することもNGとなります。また、他者が不正に持ち込んだ情報を社内で使用することも問題になります。現在では、P...
東京都の創業助成事業
東京都内で創業予定の個人又は創業から5年未満の中小企業者等に対し、賃借料、広告費、従業員人件費、市場調査・分析費等、創業初期に必要な経費の一部を助成する「創業助成事業」を実施しています。実施団体は公益財団法人東京都中小企業振興公社です。助成率は3分の2以内で、助成限度額は最大400万円です。採択率は13~20%程度なので、決して高くはありませんが、創業初期で当該の費目でこれから高額な出費を予定されている場合は、挑戦してみるのも良いかもしれません。但し、まだ未発注で採択後に発注しなければならないため、時間的余裕があることが必要となります。また、助成金は後払いなので、手元資金の余裕も必要になります...
第40回調布花火
調布花火は昭和8年から開催されており、太平洋戦争やコロナウイルス感染症などの影響で中止がありましたが、今年まで続いています。昭和57年に「第1回 調布市花火大会」となりそこから数えて今年が40回目になります。 2025年9月20日(土)開会式 18時00分~打上げ 18時15分~19時15分発数 約10,000発 荒天では中止となりますので、Webサイトなどでご確認ください。布田会場や京王多摩川会場、電通大グラウンドで、有料席も発売されています。売店は出ているようですが、相当な混雑が予想されるため、飲食物は準備していった方がよさそうです。 【参考】https://hanabi.csa.gr....
トランプ政権とアルテミス計画
「アルテミス計画」は米国が中心となった有人宇宙旅行・月面着陸計画です。輸送機、有人宇宙船、着陸機、月周回有人拠点(Gateway)、商業月面輸送サービス等によって構成されており、将来の有人火星探査に向けた技術実証も行います。本計画に日本も参画しており、有人月面探査車(ルナクルーズ)の開発や、日本人2人が月面着陸することが決まっています。第2次トランプ政権になってNASAの予算が削減されたと共に、イーロン・マスク氏との関係悪化がどのように影響するかがわからず、計画通り進むかは不透明な状況です。その間も、日本では着実に開発を進めて、しっかりと成果を出してほしいと願います。
中小企業診断士とMBAとの違い
ビジネスや経営について体系的に学んでいるところは同じですが、中小企業診断士は経済産業大臣が登録する国家資格であるのに対し、MBAは資格ではなく「学位」です。ビジネスや経営には、これまで様々な企業が営んできた結果はありますが、絶対的な「正解」というものは存在しません。その中で中小企業診断士は、中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役や中小企業施策の適切な活用支援等を求められており、特に補助金や各種支援策の公的業務では、採択可否など結果が出る業務があります。結果を出すためには、審査基準や加点ポイントなど、経営学とは異なる部分の知識・ノウハウも必要となってきます。とはいえ、経営状態を良くするために分...
Chain-GE Partners(チェインジパートナーズ)は活動を開始しました
Chain-GE Partners(チェインジパートナーズ)は、クライアント企業様に寄り添って真の課題を見つけ出し、非連続なイノベーションを生み出す戦略を提案・実行する、コンサルティング会社です。 GE:Great Experience(素晴らしい体験)に、Chain:つなぐことで、クライアント企業様と共に変革していけるよう、取り組みます。 1社1社がチャレンジすることで、日本全体の活気が取り戻せると信じて活動を開始します。 現在はまだ設立前ですが、少しでも皆さまのお役に立てるよう、精一杯努力してまいります。